ボルボ整備ブログ

2023.10.18更新

さて今回はV70の2002年のノンターボ車の修理です。

今までディーラーで診てもらっていた車でオルタネーターのベアリングが逝ってしまいディーラーに運んだところ純正のオルタネーターが生産終了で修理不可との事で不動のままレッカーで当社にご入庫という。
オルタネーターは社外品ですぐに対応してベルトとともに交換完了して無事エンジン掛かります。電圧など測定、試運転して完了…!

と、思いきや工場内でいきなりエンジン不調に陥ります。
停車中アイドリングでDレンジにシフトを入れるとエンスト。
少しアクセル吹かしながらだと普通に進むけどアクセル離すとストンとエンスト。
故障コードは特になし。
でも何かアクセルを微妙に踏んだ時、ブレーキを踏んだ時の吸気(バキューム)の感じがおかしい気がする…。
なのでインテーク側のマニホールドGK、ダクトやバキュームホースなど念入りに調べて行きます。
すると、バキュームホースが網状の物で保護されているMAPセンサーの接続部のホースがポロッと!間違いなく、ここから余計な空気を吸ってエンストの原因になっていたと思われます。(オルタネーター交換時に触るところではないのであしからず)

SB系のNAのエンジンではエアマスとともにこのMAPセンサーで吸入量など色々と計測しています。こんな変な位置にあるのに重要なセンサーという…。
これを新品のホースに交換して完了。


簡単そうに見えますが…。
これ、おそらく普通のメカニックは感覚で感じることは出来ないとは思います。
ここが怪しいとかは経験や症状である程度はわかるとは思うのですが…
自分はなぜか吸気音や異音などの異常に気付ける過敏な感覚があるみたいで故障診断に役立ってます。(どや顔)


最近、ディーラーで断られた車がかなり多く入庫しています。
この車もすでに21年経過。
まだまだ乗れますように!


松川



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2023.10.12更新

さて今回はボルボ850T5-Rの修理です。
言わずと知れた1995年にレースに出るレギュレーションのために創られたグレード!

この車はここ数年当社でみているのですが超低走行の極上車、以前からしっかり手が入っている車。


高速など一時間ほど走行していると症状が現れ出しアクセルを踏んでも加速しない、失速する。
アクセルをゆっくり踏んで行くとなんとか走行できるという症状です。


試運転→アイドリングと繰り返していると症状が出ます。
低速時でも加速中に失火しているか燃料が足りないみたいな感じでアクセルONのままでガクンと失速しますが、すぐに復帰してエンストはしないという状態。
ターボはキレイな過吸音で回っていて加速も通常時は問題なしと。
これはなかなか難しい…。


故障コードは一つだけ、A2 414 ブーストプレッシャー高い。
あんまり入らない故障コードなのでうーんと思いながらひとまずぶブーストコントロールバルブをテスト用に替えてみますが症状変わらず。
さて次はと、ターボ周りを入念に診て行きますがターボはキレイに回って加速もアクセル開けるとガバッとT5-Rならではのすんごい加速するのでこの時点では半信半疑です。点火系も気になりますが去年ひと通り交換しているので…。

スロットル周りを外して入念にチェックしても特になにもない…。
タービン周りもチェックしていきますが、羽の軸にガタは無いし、軽い力でキレイに回るのでタービンは問題なさそう。
そもそもターボがキレイに回っているので違うかなと思いながら、アクチュエーターの動きを念のためチェック。
  あれ?ハンドバキュームで圧を掛けても動かない。もっと圧を掛けて引っ張ってもなにしてもピクリともしません。
これはなにか見つけたか!!ひとまずこいつを外してチェック。
 やっと原因を発見か!!アクチュエーターの遮熱板に隠れているロッドが錆で完全に固着!!
めちゃくちゃ苦労して外したアクチュエーター単体はスムーズで、ウェストゲートバルブも軽い。
あとはさび落としと加工修理で完了。
T5-Rは三菱製のたしかTD04タービン(06?)。ホントはアクチュエーター交換したいところですが。。。

その後、再発無し。故障コード入らずで完了ですかね。

 

原理としては、
アクセルON時にターボのアクチュエーターが動かない→ウエストゲートが開かない→ブースト圧が上がりすぎる→ECUが燃料カット。
こんな仕組みで腑に落ちました。

ターボオーバーホールでなくて良かった良かったと!

松川

850①

850②

 

2023.08.30更新

今年の夏はいつにもまして暑いのですね。

そのせいか、かなり忙しくさせていただきましてお待たせしてしまっているお客様多数で大変申し訳ありません。

 

さて今回もボルボ240の整備です。


1991年か1990年まではエンジンルームに25Aの平のメインヒューズがいます。
1992年、1993年では室内に組み込まれますがバッテリー横にでっかいヒューズがいる車もあります。

ECUなどに電気を送っているのでここのヒューズが切れるとエンジンがかかりません。
(セルモーターは回りますけど)
バッテリーの端子部分も要チェック。

自分は気づいたらこのヒューズを外して磨いて接点復活剤をかけてます。

重要なヒューズなのですがなぜか雨にさらされる所にあります。
交換する時は時は出来る限り内側に移動してあげてます。

写真のようになるといつ接触不良を起こしてもおかしくないのでホルダーごと交換しましょう。今回はヒューズを抜いたら粉砕したんで交換です。。。

 
細かい整備ですがこれだけでもエンジン掛からなくなりますので。

松川


ヒューズ1ヒューズ2ヒューズ3

 

2023.06.15更新

ボルボ240である日、集中ドアロックが効かない、エンジンをかけようとキーを回しても何も反応せずセルモーターがうんともすんとも…。

バッテリーは替えたばかりなのに…などなど。

こんな時は漏電を疑います。

結論から先に、
ボルボ240の漏電で一番多い原因は集中ドアロックユニットになります。
運転席の内張りを剥がした中にいます。
写真を見ればおわかりでしょうか。
この部分の配線が完全にショートしているのにヒューズは切れないのでずっと電気が流れっぱなしになるのです。

右ハンドル特有の部品ですので新品部品があるわけもないので修理して直します。

ハンダの染み込みにくい嫌な配線をチマチマと直して端子の部分も修正。
地味だけど時間のかかる作業です。

かなりの車がこうなっていますので、集中ロックの動きがおかしい場合などはチェックした方が良いですね。

 

 酷い車屋などは直せないからと言って元から切ってしまったりするところもあります。


松川



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2023.02.01更新

さて今回はボルボ240 1993年モデルのなかなか珍しい症状の修理です。

こちらの240のお客様は当社で長い事整備させていただいているお車です。

症状は夜間走行中に突然メーターが暗くなりアクセルの反応がなくなり車を止めるとエンジン停止。キーを回してもメーターは何も点灯しない、エンジンも掛からないという状況でレッカーでの入庫です。

診断していきましょう。
この状態を聞くと、まずオルタネーターの発電不良、バッテリーを疑いますが
ドライブベルトOK、クランクプーリーOK、バッテリー12.7V電圧はOK。
キーを回してもうんともすんともいいません、IGスイッチ外してテスト用に替えてもダメ。そこで、この年式はバッテリー横にヒューズがある年式と気付きます。
チェックしてみると、IGの60Aのヒューズ切れ。
このヒューズは稀に熱で端子部分が焼けてしまってヒューズが切れた事があったのでテスト用のヒューズに替えるとすぐに切れてしまいました(ああ、もったいない事しました)。
導通チェックしてみるとアースに短絡しています。ショートしている箇所を探します。
配線図を頼りに各ヒューズ、コネクタを外しながらひとつひとつ探して自分的にはインヒビターかなと思いましたが違いました。最後にもうここしかないというのがヘッドライトリレー。
グローブボックスを外した奥にいますので確認すると熱でコネクターが焼けてしまい端子部分が露出してボディに接触している状態です。(写真黒丸の部分)

今回はなかなか苦労しました。
コネクターの修理とリレーとヒューズの交換で無事完治です。
エンジンが掛かるようになったので念のため発電量とバッテリーをチェックして終了です。

まさかヘッドライト系統のショートでエンジンが掛からなくなってしまうとは。。。

 



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2022.11.21更新

さて今回の事例はボルボ240のエンジン不調です。

こちらのお車はアイドリング時にエンジン回転数が落ち込んだり上がってしまったりする症状です。
困った事に症状が出たり出なかったりと一番悩むパターンです。
いつものように全ての点検後、プラグの焼け具合、水温センサーの抵抗値など調べて行きます。
当社にはテスト用のパーツがあるので症状が出ている時に各部品を入れ替えてみて症状が変わるかどうか観て行きます。
うーん、どれも異常なし。
1番のプラグの焼け具合が気になるのと、なんとなくどこかから余分な空気を吸いこんでいるような気がします。
そんな時は奥の手のパーツクリーナーを気になるところへ吹きかけてみます。
するとアイドリングに変化が!!
ああ、インテークマニホールドのガスケットでしたか。良く見るとずれが。。。
インマニずらして外してみると経年劣化でゆがんでしまってますね。

昔の960ではよく交換してましたが240、940はたまにって感じですね。

さてこれで問題解決して修理完了!!




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2022.10.12更新

かなり久しぶりの投稿です。。。
毎日、難問ばかりで忙しくしております。

さてこちらのお車は当社ユーザー様のV70の2012年モデル。
アクセルを踏み込んだ時など急激な加速時に息継ぎをする状況。
この車特有のミッションの不具合か!なんて思ったりしそうな状況。

当社でも今までも何台かありましたねこの症状。
やはりというかなんというか、プラグの碍子(がいし)の部分にヒビが入っています。
この状態だと火花がプラグホール内でリークしてしまいます。
そうなるとエンジンの調子が悪くなり今の症状という事ですね。

当初のメーカーの交換目安だと4年12万キロ(今は変わっているかもしれないですが)となっていますが年数よりも距離で交換しろとされています。。。。
ですがそんなに持ちません、現にこの車は6万キロです。


基本中の基本のプラグ!
一度も交換されてない車は要チェックですね!



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2022.06.10更新

久しぶりの更新になります。

V70と言っても3世代ございます。
初代を875、P1、二代目が285、SB、P2、三代目を135、BB、P3などとさまざまな呼称がありますね。

今回はBB、135の型の整備になります。
走行距離は10万キロ。


この車の所有者は自分の小中学校の同級生の車。普段は食品会社に勤めながらGTレースの仕事にも係わっているけど整備に関しては素人という謎の人。
知り合いから安く譲り受けた車なのですが、特に悪いところはなかったのですが急にすごい異音がすると連絡が・・・。


さっそく診てみるとエンジンから「フォー」と汽笛を鳴らしているような音が出ながらハンチング(回転数が上下すること)を起こしています。どこからか余計な空気を吸いこんでいるような状態。
故障コード診てもエア漏れという。
そこでインマニにパーツクリーナを吹きかけるとハンチングの症状が酷くなります。
インマニのガスケットのエアー漏れ?
なんだかそれだけではないような・・・うーん。
と悩んでいるとうちのメカのS氏がオイルスティックを引き抜いたところすごい勢いで吸入しているのですが音の症状が落ち着きます。S氏はブローバイ詰まってるかなと・・。
そこでブローバイのホースを一本ずつ外しては塞いでなどをしても症状変わらずなので、ブローバイのタンクかと。そういえばこのタンク交換しているのを聞いたことあったなと。。
285、SBのV70でもブローバイタンクの交換することありますし。


ひとまずブローバイタンク(オイルトラップ)の交換。オイルフィルター一体式でアッセンブリーでしか部品供給無し。そこまで外すならとついでにインマニのガスケットも交換。


以上で無事修理完了。


結局何がダメだったかバラバラにしてみると・・・ブローバイ上部の弁?が切れて穴が!!
フィルター側はかなりキレイだったのでオイル管理が悪かったわけではなく経年劣化でしょうか。


治って一安心でございます。


松川



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2022.04.30更新

さて今回のお車は良い雰囲気のV50!
V70(285)のRモデルに寄せた感じです!

今回はかなり難解でした。。。

リアゲートのハッチのスイッチを押してもうんともすんとも開かない。
カチッとはかすかに音がしているのですがびくともしない。

外からはどうする事もできないので中からとりあえず内張りを剥がすしかありません。
壊さないように少し無理やりですが剥がすことに成功…ですがロックモーターにどこからもアクセスできません。いやホント、ここで途方にくれました。。。

外せるものは全部外してもどうにも出来ない。
いろいろ悩んだ結果、お客様に下側のカバーの穴あけの許可をもらい、かなり強引にキャッチの方のボルトをなんとか緩めて2人がかりでズボッと引き抜くことに成功!!

いや、もうこの時の安堵感といったらもう!!

原因としてはロックユニット内部のプラ部品の破損でした。
本来はスイッチを押すと中のモータが回転してロック機構を開かせるのですが真っ二つに割れてしまい、なおかつ破損した部品が引っ掛かって中のモーターをロックさせていたみたいでカチッとしか音がしなかったみたいですね。本来は少しですがモーターの回転音がします。

この構造、V40V60なども同じだと思うので注意が必要ですね。

新旧どの年式もボルボのリアゲートは優しく閉めないとダメです!!!

松川



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2022.03.31更新

今回はかなり細かい事ですが…。

最近、納車した240は当社で元色の白でオールペイントした車でした。
板金塗装屋さんの好意でエンブレムもキレイに貼り直してくれていました。
ですが納車直前にエンブレムの位置が微妙に下なのが気になって気になって。。。
なので貼り直し!!
強力な両面テープは剥がすのに時間が掛かるのでかなり厄介です。
両面テープの貼り直しも骨が折れます。

正確な位置はきちんとしたデータがあります。
エステートは左右ともに端から20ミリ、下から65ミリに!
リミテッドやクラシックの文字はそこから5ミリ下に頭がきます。
4の文字の下側は下にはみ出ます。
ホントは企業秘密にしておきたいところですが知りたい方が多いかなと思いまして。

昔は大幅にずれている車見ると「事故車かな?」なんて思ったりしましたが今は塗り直しが当たり前になっている年代の車なので。。。

ご参考に~!!

地味な作業で以外に大変ですがスッキリして納車です!!



松川

 



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